がっくりしていると、慰めるようにムッシェさんがぽんぽんと右肩を叩いてくれた。

ありがとうございます・・・。


感謝を込めてムッシェさんを見つめていると、彼の声が頭に響いた。

異世界言語でありながらも意味がわかるのは、彼がこう言っている意思が鮮明に伝わってくるからかな・・・?



〈わかってるの〉

「ひょ?」


いつの間にか変わっていた神々しさを感じる黄金の瞳は、淡々とした視線で問いかける。


〈これからは、俺が君に言葉を教えることになったんだよ〉

『え、そうなの?』


ぽろりと日本語がこぼれて、慌てて言い換える。


「じょーないの?」

〈念話で思考バレてるから言い換えなくていい。言い換えてもわかんないし〉

「びゃー!?」


そうなの?

あ、でもさっきも会話成り立ってたや!



『えっと、それじゃあ・・・』

思うだけでいいってこと、ですか?

〈そう〉

おお!そっか!
念話すごい!

〈・・・まあ、そうだね〉

あ!それであなたが私に言葉を教えることになったっていうのはなんで?

〈念話で意思疎通できるから〉

なるほど!
お世話になります!



私はガバッと頭を下げた。

その後、パッと顔を上げて笑った。


「わたしは旭・戸田じゃ!どーぞよっしくおねがいいたます!」

「ラギア。よろしく」

「るあぎゅあ!!!」

「・・・ラギア」

「らぎゅあ?」

「・・・・・・」