こんなところで、立ち止まってはいられない!



『よーしっ!頑張るぞっ!』


立ち上がって、おぉー!と右の拳を上に突き出した。

そして———ぐうううううううっと盛大にお腹が鳴った。


うん!やっぱり空腹を感じなかったのは余裕がなかったからだね!

気合入れたら元気に鳴りましたよ!!!



『でも、ご飯はどうすれば貰えるのかな?』

牢の外への連絡手段とは?


首をひねりつつ、改めて辺りを見渡して・・・何も見つけられなかった。



前方と左側を鉄格子で囲まれ、後ろと右側が石壁なっている牢。

それが、左側にも続いていて、前方にも向かい合うようにある。


薄暗い、日の光が差さないここは、もしかして地下牢とかいうものだろうか?

けっこう広いように見えるけど、見たことないし。

・・・まあ、まだここに来て二日目だから見たことない場所なんてわんさかあるんだろうけど。




外との出入り口は一つで、私が入っている牢の右側にあると思われる。

右側は石壁になっているからよく見えないんだけど、左側にはないみたいだから。


私が入っている牢は、開閉できる鉄格子のドアに厳重な鍵がされているようだ。

太い鎖がぐるぐる巻かれていて、ごつい錠前が二つもついている。


・・・うん。やっぱり逃走は無謀だなぁ。牢から出られる気がしない。

元からする気はなかったからいいんだけども。