ちゅ……、と音を立てて、千尋くんの気配がゆっくり離れて行く感じがした。


恐る恐る目を開けると、どアップの綺麗な千尋くんの顔。


「ひゃわっ……!」

「何。……これで満足?」


こくこくこくと高速でうなづく。


すると、千尋くんは、ふわ、と微かに笑った。


「っ、今……」

「ん、じゃあ、もうちょっとで読み終わるから、待ってて」

「うん」


fin.