「紫織ちゃん!麗ちゃん!おーはよ!」



最後に莉嘉先輩が私を誘いに来てから3日後、窓際の席の私に声をかけに来た。



「莉嘉先輩...
おはようございます。」



「なんでそんなに憂鬱さを前面に出してくるの!
今日多目的室で練習と打ち合わせするから、HR終わったらここで待ってて!迎えに来るから」



今にもウインクをしだしそうなテンションで言う先輩。


なんで朝からこのテンションでいられるんだろう。


朝が弱すぎる私はまだ半分寝ている脳みそでそんなことを考える。



「分かりました」



「それじゃよろしく!」



元気に教室を出る先輩を目で追ってると、教室のすぐ外で茶髪の男の人と合流をした。



先輩の彼氏さんか。



そんなことをぼやっと考えていたら


「莉嘉先輩と生人先輩より戻したんだ」


後ろの席に座る麗が呟く。


「ん?」



「生人先輩男子バスケ部だからたまに話すんだけど、最近他の先輩に『iPhoneのホームが別れたのに莉嘉先輩だ!』って弄られてるの見てたから」



「そう言えば麗、バスケ部だったね。」



「そういえばって何。」


「いや、忘れてた」



「おい。ジュースと唐揚げ奢らせるぞ」



「え、やだ。やめて。」



「じゃあ覚えてて。」



「はい。努力します。」



そんな風に真顔でふざけ合う私たちを、見てる先輩がもう一人いたことをその時は知らなかった。