-You-
一般公開が11時に始まってすぐに陸空先輩と莉嘉先輩に誘われ、全校の模擬店を回ることになった。
あれやこれやと龍くんに頼まれたものも含め、色んなものを買って、出発してから1時間半後に3-Dの戻る。
「遅せぇー!てか買ってきすぎ!」
生人先輩がすぐに駆け寄ってくる。
ちょうどD組のお化け屋敷も休憩中だったらしい。
「龍橙今寝てる」
私が探してると思ったのか、生人先輩が気を使ってそう言ってくれる。
「そうなんですか?
あんまり興味無いですけど」
「二人ってなかなか冷めた関係性だよね」
「そうですね〜
あんまり依存とかしたくないんで。」
「なんで?」
「依存したら自分がきつくなるの知ってますから。」
「深い。深すぎる深イイ〜だわ」
陸空先輩は黒髪でキリッとした瞳をしてるからクールなんだと思ってたら、結構こうやってふざけるらしい。
そんな陸空先輩の意外な所を知ったところで何かが肩に乗っかるのが分かる。
「紫織ぃー何買ってきたのーー」
「呼び捨て。」
「嫌なの?」
「んー」
「涼くんに呼ばれてた?」
「うるさいです」
「図星か。紫織〜」
寝起きだからなのかちょくちょく語尾が伸びる龍橙さん。
「別にいいですよ。
龍くんがよびたければ」
「涼くんと龍くんって似てるな。今気がついた。」
「嫌ですか?」
「うん。やっぱり龍橙って呼んで。」
「龍」
「んーまぁいいや
何ぃー紫織〜」
「ちょっ。やっぱり見るに耐えるわ。」
「私らの前でよくそんなにベタベタ出来るよね」
「俺らもする?」
「しないわ」
「もしかして俺ら見えてない?」
「見えてますよ」
「だよね。」
そんな感じで先輩達と3-D組の教室でいろんな話をしながら買ってきた品々を食べていた。
そのまま一時間くらいがすぎて、休憩を終わらせる。
って言っても受付を担当しているD組の三人衆は人が来るまで暇らしく、ずっとお喋りをしていた。
「てかさ、紫織ちゃんは自分のクラス行かなくていいの?」
「あーなんか前日までに仕入れとかやってたグループは今日自由らしいです」
「そんな制度あるんだ」
「すごいな」
「なぁーーーなんでこんなに人来ないの?」
「今ライブやってるからでしょ」
「あーなるほど。」
「ライブ?」
「軽音部がね」
「あぁ。」
その時、
「あの。」
と、可愛らしい声が聞こえる。
話に夢中になって、お客さんの存在に気が付かなかったらしい。
「はい!すいません!」
そう言って振り返った三人は同時に動きと表情を固めた。
そして、
蚊の鳴くような声で
龍が読んだ名前がしっかりと耳に入る。
-咲妃-
そして蘇るたった二日前に話したこと。
-まだ咲妃さんのこと忘れてないんでしょ?-
-綺麗な人だったしな-
"咲妃"と呼ばれたその人は腕に小さな赤ん坊を抱き、こちらをニコニコと見据えていた。
「...」
「...」
さっきまで賑やかに話していた陸空先輩や生人先輩も黙り込んでしまう。
一般公開が11時に始まってすぐに陸空先輩と莉嘉先輩に誘われ、全校の模擬店を回ることになった。
あれやこれやと龍くんに頼まれたものも含め、色んなものを買って、出発してから1時間半後に3-Dの戻る。
「遅せぇー!てか買ってきすぎ!」
生人先輩がすぐに駆け寄ってくる。
ちょうどD組のお化け屋敷も休憩中だったらしい。
「龍橙今寝てる」
私が探してると思ったのか、生人先輩が気を使ってそう言ってくれる。
「そうなんですか?
あんまり興味無いですけど」
「二人ってなかなか冷めた関係性だよね」
「そうですね〜
あんまり依存とかしたくないんで。」
「なんで?」
「依存したら自分がきつくなるの知ってますから。」
「深い。深すぎる深イイ〜だわ」
陸空先輩は黒髪でキリッとした瞳をしてるからクールなんだと思ってたら、結構こうやってふざけるらしい。
そんな陸空先輩の意外な所を知ったところで何かが肩に乗っかるのが分かる。
「紫織ぃー何買ってきたのーー」
「呼び捨て。」
「嫌なの?」
「んー」
「涼くんに呼ばれてた?」
「うるさいです」
「図星か。紫織〜」
寝起きだからなのかちょくちょく語尾が伸びる龍橙さん。
「別にいいですよ。
龍くんがよびたければ」
「涼くんと龍くんって似てるな。今気がついた。」
「嫌ですか?」
「うん。やっぱり龍橙って呼んで。」
「龍」
「んーまぁいいや
何ぃー紫織〜」
「ちょっ。やっぱり見るに耐えるわ。」
「私らの前でよくそんなにベタベタ出来るよね」
「俺らもする?」
「しないわ」
「もしかして俺ら見えてない?」
「見えてますよ」
「だよね。」
そんな感じで先輩達と3-D組の教室でいろんな話をしながら買ってきた品々を食べていた。
そのまま一時間くらいがすぎて、休憩を終わらせる。
って言っても受付を担当しているD組の三人衆は人が来るまで暇らしく、ずっとお喋りをしていた。
「てかさ、紫織ちゃんは自分のクラス行かなくていいの?」
「あーなんか前日までに仕入れとかやってたグループは今日自由らしいです」
「そんな制度あるんだ」
「すごいな」
「なぁーーーなんでこんなに人来ないの?」
「今ライブやってるからでしょ」
「あーなるほど。」
「ライブ?」
「軽音部がね」
「あぁ。」
その時、
「あの。」
と、可愛らしい声が聞こえる。
話に夢中になって、お客さんの存在に気が付かなかったらしい。
「はい!すいません!」
そう言って振り返った三人は同時に動きと表情を固めた。
そして、
蚊の鳴くような声で
龍が読んだ名前がしっかりと耳に入る。
-咲妃-
そして蘇るたった二日前に話したこと。
-まだ咲妃さんのこと忘れてないんでしょ?-
-綺麗な人だったしな-
"咲妃"と呼ばれたその人は腕に小さな赤ん坊を抱き、こちらをニコニコと見据えていた。
「...」
「...」
さっきまで賑やかに話していた陸空先輩や生人先輩も黙り込んでしまう。