「いったぁ…」 転んだ勢いのせいか、膝が擦りむけてしまった。 ぶつかった相手はなんとか立ち上がったみたいで、 「…すまない。怪我はないか?」 声をかけてくる。 私は返事をしようと顔を上げた。 すると、 「…え!!ひ、氷室くん…!?」 申し訳なさそうな顔をした氷室圭人くんが立っていたのだ。 一瞬にして頭が真っ白になる。 氷室くんとぶつかったの…!? しかも、氷室くんが私の怪我を心配してる…!?