「おーい!乃々華!」
「翔ちゃん!」
私、原乃々華(168)今は高校1年。
そして、私の名前を呼んだのは松田翔(195)。
「お待たせ。行くか。」
「うん!」
スポーツウェアを来ている2人は翔ちゃんの車に乗った。
「乃々華。俺らって、いつから仲いい?」
「んー。どうなんだろう。」
私たちが初めて会ったのは、両親のバレーボールチームに行った時。
私は確か小3だった気がする。
「原ちゃん!久しぶりー!」
「まつー!久しぶりー!」
私と翔ちゃんの親は同級生。
「乃々華。挨拶して。」
「乃々華です。」
「乃々華ちゃんおっきくなったねー。」
ぜんぜん覚えてないけど、会ったことがあるらしい。
「翔!こっちおいで!」
バレーボールウェアを来た大きなお兄ちゃん。
「あいさつして。」
「翔です。こんばんわ。」
「こんばんわ。」
「翔、乃々華ちゃんにバレー教えてあげなよ。」
「えっ。いいよいいよ。ボールあんまり好きじゃないみたいだし。」
「やってみたら才能あるかもよ?」
「そうかなー。まぁいいや。乃々華。翔くんと遊んでて。」
お父さんはもう練習をしている。
「乃々華ちゃん。なにする?」
人見知りだった私は、なにも話さなかった。
「じゃあ、ボールで遊ぼっか。」
そう翔ちゃんが言ってくれて、少しバレーを教えてもらった。それがすごく楽しくて、毎週行っていた。
それから数年がたった。
私が小学生のバレーボールチームに入ったのもあって、翔ちゃんには全然会っていなかった。
中学に入学して、バレー部に仮入部した。
「よろしくお願いします!」
そう言って入った。バレー部の人数が少すぎて、男女一緒に練習していた。
最初のパスは男子の先輩と組まされた。
「久しぶりだな。乃々華。」
「えっ?」
「覚えてないの?翔だけど。」
「えっ?うそ!翔くん?」
「嘘ついてどうすんだよ。」
翔ちゃんは中3ですぐに引退してしまったけど、よく遊びに来てくれていた。