「はーい!」


「のの。荷物下ろしなよ。」


「あ。忘れてた。葉瑠ちゃん、ちょっとおりて。」


「んー!」


ものすごい力でしがみついていた。


「ちょっとだけだから。」


無理やり下ろした。


「やーぁー!」
泣き出した。


「ごめんごめん。おいで。」


「大変だね。なんか、お母さんみたい。」


「そう?」


「まだ来れないのか?」


「今行く!」


シューズとサポーターとタオルと水を持って更衣室から出た。


「ごめん!遅くなった。」
「乃々華。シューズぐらい履いてこいよ。」


「葉瑠ちゃんがくっついてまーす。」


「りかちゃん!」


「ったく。葉瑠。乃々華から離れて。」


「や!」


「葉瑠。鬼さん連れてくるよ。」


「や!」


「そこに、涼たちいるから行っておいで。」
葉瑠ちゃんは走って行った。


「哲人!お腹空いたって言ったら、お菓子じゃなくて、買ったご飯食べなよ。」


「知ってるー。」


私たちが練習している間、ずっと遊んでいた。


「そろそろ終わるから片付けて。」


「わかった!」


片付けをさせて、車に乗って帰った。
あれから、3ヶ月がたった。


「明後日だね。」


「そうだな。行きたいけど行きたくねぇなー。」


「何それ。」


「バレーはしに行きたいけど、乃々華とは離れたくねぇんだよ。」


「別に一生の別れじゃないし。会いたいときに会えないのは寂しいけど、頑張って来るんでしょ?日本代表になるんでしょ?」


「あったりめぇだろ!乃々華のために頑張るんだよ。」
「ありがと。嬉しい。これからここで暮らすんだよね。」


「ごめんな。あいつら連れていけたらいいんだけどな。」


「いいのいいの。2週間に1回以上帰ってくるって翔ちゃんと約束したから。」


「そうだな。あと2年の辛抱だな。」


「2年か。2年後には翔ちゃんがお兄ちゃんと一緒の舞台に立ててたらいいな。」


「そうなれるように頑張るよ。」


「うん!」
「明日は家でのんびりするか。」


「うん!今日、泊まってくしね。」


「てことは…。」


「バカじゃないの。今日はしない。」


「とか言いながら...」


ドサッ


「しないって...んっ...」


外は少し明るくなっていた。
「もう...無理...。」


「今何時?」


「4時半。」


「そんなにたってた?」


「うん。」


「寝るか。」


「ん。」


「寝てるし。」
「のの姉ちゃん!起きて!」


「ん。」


「涼。乃々華もう少し寝かせてあげて。てか、今日母さんいるだろ?」


「うん!寝てる!」


「俺ももう少し寝るから、なんかあったら起こしにこいよ。」


「分かった!おやすみ!」


「おやすみ。」