「次の日、お兄ちゃんと話すために家に来てたの。そのとき泣きそうになって、それで抱きしめられたんだけど突き飛ばしちゃって。」


「それで?」


「そしたら、話があるって。告白された。」


「そうなんだ。でもよかったじゃん!これからは会えなくて辛いかもしれないけど。」


「うん!まだ誰にも言わないでね。」


「わかった。」
お祝いパーティーは終わった。でも、メンバーは残っていた。


「もかちゃん!竜聖くん!おめでとう!」


「ののー!ありがと!大好き!」


「もかちゃん!私も大好き!」


「「俺は?」」


「えっ?なんで翔さんが言ってるんっすか。」


「乃々華。まさか、翔さんと。」
「あぁ。付き合ってる。」


「おい。乃々華。高一のメンバーで最初に彼氏出来たのお前かよー。」


「大輝もさっさと彼女作りなよ。」


「いい感じの人いるもんねー。」


「うそ?誰?」


「付き合うことになったら言うよ。」


「楽しみにしてる!」


夏休みが始まって1週間。今日は嶺亜の家にいた。

電車を降りて、待ち合わせ場所に向かった。


「嶺亜!」


嶺亜の周りには、女子が群がっていた。


「きたきた!遅かったな。」


「遅いもなにも電車ですけど。」


「そうか。」


すると、女子の1人が
「嶺亜くん。この子誰?」


「んー。バレー仲間で、俺の好きな人。」


「嶺亜?!」


「え。嶺亜くんこんな子が好きなの?」


「あぁ。ドジで、いつもテンション高くてうるさいけど、可愛いんだよ。」


「この前私のこと可愛いって言ったくせに!」


「可愛いって言っただけで、好きとは言ってない。」


「何それ。」
「もういい?こいつと出かけるから。またな。」


嶺亜はスタスタ歩き出した。


「嶺亜、ちょっと待って!きゃっ!」


「っぶねぇ。」


「ごめん。ありがとう。」


「ったく。ドジだなぁー。」


「嶺亜が早く歩くから。」


「俺、そんなに早かったか?」
「うん。てか、さっきの何?私、翔ちゃんの彼女だよ?」


「や。あいつ、学校でも外でもうるさいんだよ。んで、またいたから乃々華のこと好きな人ってうそついちった。」


「そうなの?びっくりしたー。」


「家、着いたぞ。」


目の前には、ものすごい豪邸が。


「えっ。これなの?」


「あぁ。」
ギィィ


「おかえりなさいませ。」


「ただいま。」


「こんにちは。」


「こんにちは。坊っちゃま、お部屋にお持ちしますね。」


「いや。自分でするからいいよ。それの続きしてて。」


「恐れ入ります。」
「お邪魔します。」


家の中に入ると、すごく広いロビーが。


「嶺亜ってなんなの?」


「次期社長。」


「えっ?なんの?」


「化粧品。kanomeって知らない?」


「知ってるし、めっちゃ好き。」


「そこの次期社長。」