私が起きる前に2人は起きていた。
「おはよう。」
「おはよう。ちゅうされてたね。」
「されてない。ほっぺにされただけ。」
「されただけ?」
「あ!もかちゃん!顔赤くなってるよー。」
「見ないでー!2人も竜聖くんと陸くんに起こされたんでしょ?」
「起きたら、いるんだもん。びっくりしたよね?」
「うん!ていうか、バス降りてどうやって部屋に来たのか覚えてないんだけど。」
「竜聖くんと陸くんがだっこして連れて来たの!大変だったんだからね!2人とも寝ながら歩いてさ。」
「ごめんごめん。」
「早く準備しよー。外でみんな待ってる。」
「えっ?やば。」
めっちゃ急いで準備して外に出た。
「寝坊してごめんなさい!」
「いいから、急いで行くぞー!」
バスに乗って急いで会場に向かった。
既に1試合目が始まっていた。
私たちが当たるチームは、男女関係なくバンバン打ってくる選手がいるチーム。
「そろそろ試合始まるな。行くか。」
女子は私たち3人で男子が竜聖くん、翔ちゃん、悠也くん。
コーチの話を聞いて、コートに入った。
「「「ねがいします!」」」
「よし。落ち着いて、1本1本確実に決めてくぞ。」
「ファイッ」
「「「ヨシ!」」」
試合が始まった。本当に相手チームの選手は男女関係なく打ってくる。
「乃々華!」
「はい!」
ドンッ
取れなかった。
「ドンマイドンマイ。次な!」
「はい!次取ります!」
次のサーブが男女関係なく打ってくる宮田選手だった。
ピーッ
バシッ
「乃々華!」
「はい!」
取れた。けど、相手チームのコートに帰ってしまった。
「来るぞ!」
バンッ
また狙われた。
それが何度も続いて、私の腕は真っ赤になっていた。
痛みが治まっていない時に、また次のアタックがくる。それが続いた。
「乃々華!」
「はい」
「いっ...た。」
私のミスで、1セット目を落としてしまった。
「すいません。ごめんなさい。」
「何言ってんの?ののが悪いわけじゃない。それをカバーできてない私たちが悪いの。」
痛くて、悔しくて、申し訳なくて、泣きそうだったけど、我慢して2セット目に入った。
1本目から狙われた。
「いたい。」
小さい声で言った。
でも、それは誰にも聞こえてなかった。
2セット目も何度も狙われて、心が折れそうだった。
でも、翔ちゃん、竜聖くん、悠也くんが頑張ってくれて、2セット目は取り返した。
3セット目になった。
バンッ
ドゴンッ
「いった!」
宮田さんの物凄い勢いのボールを取ろうとした。