私は学校の中でも、
『英語準備室』に来ていた。
「あれ、橘??」
ドアの前で立っていた私に誰かが声をかけてきた。
「今日は柿木園と用があるんじゃなかったのか??」
肩を叩かれた私は後ろを振り向いた。
そのとき私は大粒の涙を流していた。
「私、どうしていいか分からない。」
「どうした?」
先生の整った顔が私の視界に入る。
先生からしたら私はただの生徒。
たまたま担任をもった教師。
ただの教師と生徒の関係。
「私、これ以上好きになったらおかしくなる。」
「え…?」
「授業のときも、休み時間も、
家に帰るときも、お風呂に入ってるときも、ご飯のときも、寝るときも。
これ以上考えたらおかしくなりそう。」
私は堪えていた涙を流した。
「橘。一旦中に入ろう。」
と言って、準備室に入った。