私は靴を履き替え、



駐車場で待っていた。




「橘!ごめんな。」



「全然!!!」




「さ、乗って?」



私たちは先生の車に乗った。




(心臓の音聞こえませんように…!)




「ここらへんだったよな??」



「なんで知ってるの!?」



「調査書見てきたから。笑」




「あ、それそれ!!!



先生、わざわざありがとう。」




「ううん。



俺も付き合わせちゃったし。



悪かったな。」




「全然!!!



また何かあったら言って?」




「ありがとな。



さ、家は入れ。



俺はお前が家に入ったら発車するから。」



(なんか恋人みたい……。)




私は胸が弾んだ。



「うん。



先生。おやすみ。」



「おやすみ。」



私は鍵を開け、ドアを開いた。




後ろを振り向き、手を振った。




先生は手を振り返してくれた。



私は家の中に入った。



(振り返してくれた…。)




先生の車の音が遠くなっていくのが分かると、



少し寂しくなった。