「はあ…」

水を飲むと私は一気に絶望感に襲われた。

空があと1ヶ月でこの世から居なくなる。

そう考えると吐き気がしてきた。

「空…」

「ひなたちゃん。」

「太陽さん…」

「もう病室はいっていいって。空に会う?」

私は少し迷った。こんな状況で空に会えるのか。

でも…空に、会いたい。

「会います。」

「こっち。」

太陽さんはにこっと笑った。


病室の扉を開けるとそこには空が寝ていた。


病院独特のにおい。

そして機械音。


窓の外には。

「ここって…」



ここは空との花火を見に来たウッドデッキ?


うん。絶対そうだ。


「去年はここで花火見たんだよ。」


「え?」

「ここのウッドデッキで。結構眺めよくってさ、家族みんなで見たんだ。」

「だから…」

「え?」

「私、今年の花火。空とここでみたんです!」



太陽さんはびっくりしたような表情をした。


「そうなんだ。空がね。」

太陽さんはウッドデッキを眺めながらぼそっといった。