病院に着くと空はすぐに手術室に運ばれた。

「ひなたちゃん。」

「はい。」

「空から何を聞かされてなかったの?」

「なんにも。」

もうここまできたら言っていいよね。とう言うと太陽さんは話し始めた。


「空はね、がんなんだ。」

「え…」

「脳の癌で…脳腫瘍っていう」

「脳腫瘍…」

脳腫瘍っていう言葉は聞いたことがある。

「空は…空の余命は、あと…1ヶ月もないかもしれない。」

私は頭を鈍器で殴られたようなそんな衝撃を受けた。


「それは…ほんとなんですか…」

「うん。空が転校してきたでしょ?それはこの病院で治療するため。その時は余命5年と言われていたんだ。」

「5年なら…!まだ、!余命1ヶ月って」

「ここで治療していたんだけどね、空の症状は悪化していくばかり。空がひなたちゃんを連れてきた時には余命1年だって。」

「空とはもう、一緒に入れないっていう…そういうことですか!?」

「うん。あと1ヶ月しか…」

「なんで!なんで!なんで!空!空を…空…」

私は泣き崩れた。

こんなに泣いたのはいつぶりだろう。

生まれた時以来か。

私は体にもう水分が無くなるくらい泣いた。



「青井さん。」

看護師さんに呼ばれて太陽さんは立ち上がった。

はい。っと私に水の入ったペットボトルを渡して看護師さんのあとを行った。

ひと口のむと私の体に水分が入ってくると言う感覚が伝わってきた。