「運命だと思ってあきらめろ。俺に出会ったお前が悪い」

運命?
進藤さんの口から出るとそんな言葉も信じていいのかなと思ってしまう。

「進藤さん、私はずっと勘違いしないように心を押さえつけていました。でも、もう我慢しなくてもいいですか?」
広くて逞しい胸に顔をぴったりとつけて囁くように声を出した。

私を抱く腕に力が入るのがわかる。

「いいよ。果菜は俺が守るから。このままずっと俺の隣にいろ」

こくりとうなずいて彼の背中に両腕をまわした。
進藤さんの胸の鼓動が伝わってくる。広くて温かい。
最近はずっと友人関係の距離で一緒にいたけれど、これからはもっと近い距離でいいんだと思うとうれしさがこみ上げる。