吐き気がする。頭痛がひどくなってきた。
逃げ出したい衝動に駆られた。
ダメだ。
今日は放課後練習するんだった。
竹本さんを探すためその場を後にする。
「見つけた。」
ガバッ!
「……っ!?」
状況についていけてないであろう竹本さん。
「担任が、迎えにいけって、」
そこまで言って止まる。
言葉がでない。
次に何って言えばいいかわからない。
「ひどいと思わない?」
突然の声に俯いてた顔を上げた。
「仮にも女子である可愛い生徒をかったーい名簿で、しかも角で叩くなんてさッ!!」
ひどいひどいと連発する竹本さん。
読めない発言に戸惑う。
「俺、教室戻るから。」
踵を返す。
足早に去ろうと足を進めた。
「待って!」
声と同時に掴まれた腕。
思いっきり振り払った。
時間が止まる。
「……ごめん。」
きっと届かないだろう。
その後の記憶は薄い。
よどんだ気持ちで演奏もできずすぐに家に帰る。
人はイヤだ。
裏切られるだけなら、
馴れ合うことすらしたくない。