そう思い、私はしばらく今の場所にいることにした。
「……すいません、彼女を待ってるんで。」
大輝くんは素っ気なく言っていたけど………今、確かに彼女って言った。
それだけで頬が緩みそうになるくらい嬉しい。
「彼女いるの〜?でも私たちの方が何倍も楽しませてあげられるよ?
………ねぇ、いいでしょう?」
女の人は自信ありげな表情をしていた。
自然に大輝くんの手を握り、上目遣いで彼を見ていた。
そしたら大輝くんは……
凄い勢いで女の人の手を振り払い、一言。
「うざいし迷惑なんでやめてください。
もういい加減にしてくれませんか?彼女にこんなの見られたら誤解されるんで。」
大輝くんは敬語を使っていたけど言い方は冷たく、女の人を睨んでいた。
さすがのこれには女の人たちも怯み、去って行く。
私は安心し、一呼吸置いてから大輝くんの前に現れようとした、瞬間………。
「すいません、写真撮ってくれませんか?」
今度は私たちと同い年ぐらいの高校生らしき女の子、3人組が大輝くんに話しかける。
3人とも恥ずかしそうにしていた。
私は微妙な位置で固まる。
さすが大輝くん、モテすぎる………!
でも大輝くんは
「無理です。彼女以外とは写真撮りたくないんで。」とまた冷たく返した。
女の子たちは「ですよね……すいません。」としょんぼりしながら言って、去っていった。