そして歩くこと約10分。
駅が見えてくると、凛は「じゃあ私はこれで。」と言って帰っていった。
大輝くんと会わないの?と聞いたけど、
「別に邪魔したら悪いでしょ?」と返された。
そして私は凛にお礼を言い、駅へと足を進めた。
…………駅までもう少し。
そこまで来た時、私は大輝くんの姿を見つけた。
大輝くんは1人、ずば抜けて輝かしいオーラを放っていた。
元々人通りが多い駅だったから、周りの人たちがチラチラと大輝くんを見ている。
そして大輝くんはというと……
「………っ!」
2人の女の人と話しているようだった。
思わず近くの物陰へと隠れる。
「ねぇ、君名前はなんて言うの〜?」
どうやら女の人から話しかけているみたいだ。私はもう一度、物陰からこっそりと2人の女の人を見る。
見た感じ年上の女性で、どちらも綺麗な人だった。
身長も高くて、私とは正反対の………。
そこまで考えて私は落ち込んだ。
私より2人の女の人の方がどう考えても大輝くんとお似合いだった。
「かっこいいね。どう?今から私たちとお茶しない?」
こ、これは逆ナンというやつでは!?
私はどうするべきかと考えた。
今ここで行っても邪魔なだけだよね………。