ーー「よしっ、できた。」
最初から最後まで凛が手伝ってくれ、私は別人、まではいかないけどまだ見れる姿にはなった、はず……。
これでも大輝くんの横を歩くのは恥ずかしいけど……。
「遥、可愛い〜!こんな遥を見て武本くん、大丈夫かな?」
「いやいや、大輝くんとは格が違いすぎて……!」
「そんなにマイナス思考にならなくても大丈夫!自信持って!
………よし、じゃあ行こう。」
え……?
「凛も一緒に行くの?」
「当たり前じゃない。私には遥を武本くんの元へ届けるという使命があるんだから。」
し、使命……!?
「そんな、それぐらい1人で大丈夫だよ。
凛に朝からお邪魔させてもらってて悪いし……。」
「遥が良くても、武本くんに言われたんだから送らないといけないの。」
「大輝くんに言われたの!?」
「そ。『遥が1人だと危ないから、鈴川の家の最寄り駅まで送ってほしい。』って頼まれたの。」
「そうなの……?
でも朝も駅まで迎えにきてもらってるし、悪いよ……。」
「いいのいいの。ほら、行くよ?」
凛は先に玄関へと向かう。
だから私もこれ以上何も言わずに凛の後ろをついていった……。