それから少ししてまた宿題を始め、次に集中が途切れた時にはもう夕方になっていた。


多分お腹が空いてきただろうと思い、私は夜ご飯を作ろうと立った。


「夜ご飯作ってくるね。」
「え?私たちもいいの?食べて帰っても……」



「全然いいよ。食べて帰ってもらうつもりだったし……木下くんも気にしないで食べて帰ってほしいな。」



そう言ってキッチンに行こうとしたら……


「遥。」
と、大輝くんに呼び止められる。


「どうしたの?」
「怪我したら危ないから俺がやる。」


…………はい?


大輝くんの言ってる意味がわからない。
今大輝くんは……俺がやるって言った、よね?


「そんなの悪いよ…!それに私、料理は得意だから怪我なんてしないよ。任せといて!」


「ダメ。遥は座って休んどいて。
お菓子作ってもらったお礼したいから。


材料とか勝手に使っていい?」


大輝くんも立ち上がる。


「武本くん、料理できるの!?」
「まぁ、人並みには。」


そう言うと大輝くんはキッチンに向かった。


「遥、材料と器具、好きなの使わせてもらうな。」


私はここまできたら大輝くんに任せるしかないと思い、


「うん、いいよ。……お願いします。」
と言った。


「武本くん、行動力ありすぎよね。
そりゃあ遥も任せるしかないか。」


「俺もびっくりした。
大輝って何でもできるんだな。」


木下くんも大輝くんの行動には驚いていた。


そして少しして、何かを切る音や炒める音が聞こえてきた………。