それからは自分でも驚くくらい集中できた。


理由は1つ。
自分の得意な古典の宿題から始めたから集中モードに入れたのだ。


「あーっ!疲れたぁー!」
「だいぶ進んだよ。」


凛と木下くんがシャーペンを置き、リラックスしていた。


とりあえず休憩の時間かな。
そう思った私は立ち上がって、作ったお菓子を出そうとキッチンへと向かう。


そして机の上に飲み物とお菓子を置いた。


「これ、作ったんだけどよかったらどうぞ。」
「やった、遥の手作りお菓子だぁ。」


喜ぶ凛を見て、作ってよかったなって思う私。

「河野さんってすごいね。こういうのを女子力が高いっていうのかな。」


木下くんに褒められて嬉しくなる。


私の作ったお菓子は好評だった。
大輝くんも「ん、うまい。」って言ってくれた。


少ない言葉だったけど、私はとっても嬉しくて顔が綻ぶ。


だけど凛は
「武本くん!もっと褒めてあげないと!」と、大輝くんに言った。


私は満足なのにな。