「涼しい〜!
すっごくクーラー効いてるねぇ。」
何だか今日の凛はいつも以上に上機嫌でテンションが高い。
そんな私を見て木下くんが
「さっきからずっとこの調子だよ。」と言って苦笑いした。
「そうなんだ………、どうしちゃったんだろうね。」
また何か企んでないといいけど………。
「遥。」
「はっ、はい……?」
大好きな人が低い声で私を呼ばれ、思わず返事に詰まってしまう。
「ふっ……何だよそれ。」
大輝くんに笑われた………恥ずかしい。
「そんなことより………どうしたの?」
「荷物、どこ置けばいい?」
「あっ、えっと……端っこに置いといてもらえば……。」
「わかった。」
大輝くんの荷物は2人よりも少し多くて、今日彼が泊まるのだと改めて気づかされたように感じた。
「一体今夜は何が起こるんだろうね?」
ハイテンションの凛が大輝くんに絡む。
「うぜぇ。別に何もないから。」
大輝くんは本気で迷惑そうな顔をした。
「いくら恋人だからって河野さんの気持ちを優先しないと許さないからな。」
「は?当たり前だろ?遥が傷ついて泣くところなんて絶対に見たくねぇし。」
私の気持ちを優先?
私が傷ついて泣く?
……………あの、もう少し、わかりやすく言ってもらってもいいですか……?
話についていけない人間が1人、ここにいます……。