見渡す限りの黄金の雲が眼下に広がっている。
もう暫くすれば、空から深い青が落ちてきてアーリアの山頂から望む視界の全てを包むのだろう。

それ迄にあの雲の果てへ行こう。

あたしの体は既に冷たくなっているから、このまま風化していくだけなのだろうけれどもう寂ししくも悲しくもない。

アーリアを離れシデンの草原を抜けて、結局一度も見れなかった海を見に行くんだ。
更にその果てへ、巨大な滝や山の様に大きい魚を探しに行こう。世界を照らす灯台に登るのも良い。

何でも、何でも良い。

夜の闇があたしの身体を包む迄、行けるる所まで行こう。