辿り着いた祭壇ではただただ冷たく、青い炎に照らされたクグニ神とイシカ神があたしを見下ろしていた。
二人の司祭は外から聞こえてくるヒジュラの唄に合わせて、まるであたしなんかいないかの様に踊り続けている。
あたしはただ立ち尽くす事しかできなかったので有り難かった。
結局父さんもシータも見つからず何もする事ができない。
巫女に選ばれた事を少しずつ疎ましく思い始めている自分に気付いた。
「…アグニ様。あたしからも父へ伝言を頼めますか」
「……何と…」
「もし出来るなら家に機会がある時は出す様に、と。…アジリにおけるヒジュラの掟は理解しているつもりです。それでも…」
「…解りました。掟は絶対ですが伝えましょう」
あたしが興奮し過ぎて大きな声を出してしまってから、アグニ様の様子が少しおかしい気がする。
どこかよそよそしい。
とにかくも後の事はもう父さんに任せよう。あたしにどうこうできる事では無い。
未だ無意識に震えてる足を見れば、自分以外の事を考える余裕が無い事が解る。
あと数時間もすればあたしはこの世からいなくなるんだ。
何故かイシカ神の像の唇が、何か喋っている様に動いて見えるのは気のせいだろう。
二人の司祭は外から聞こえてくるヒジュラの唄に合わせて、まるであたしなんかいないかの様に踊り続けている。
あたしはただ立ち尽くす事しかできなかったので有り難かった。
結局父さんもシータも見つからず何もする事ができない。
巫女に選ばれた事を少しずつ疎ましく思い始めている自分に気付いた。
「…アグニ様。あたしからも父へ伝言を頼めますか」
「……何と…」
「もし出来るなら家に機会がある時は出す様に、と。…アジリにおけるヒジュラの掟は理解しているつもりです。それでも…」
「…解りました。掟は絶対ですが伝えましょう」
あたしが興奮し過ぎて大きな声を出してしまってから、アグニ様の様子が少しおかしい気がする。
どこかよそよそしい。
とにかくも後の事はもう父さんに任せよう。あたしにどうこうできる事では無い。
未だ無意識に震えてる足を見れば、自分以外の事を考える余裕が無い事が解る。
あと数時間もすればあたしはこの世からいなくなるんだ。
何故かイシカ神の像の唇が、何か喋っている様に動いて見えるのは気のせいだろう。