あたしが通り過ぎる度に両脇のヒジュラが踵を鳴らす。
あたしの足音とヒジュラが踵を鳴らす音が断続的に絡み合う。
もう儀式は始まってしまっているんだ。
本殿が遠く感じる。
一歩進む度に足が竦みそうになるけれど、踵を鳴らす音が強引に背中を押す。
受け入れたつもりだったのに。
怖い事など何も無いと思っていたけど。
後ろから何か声がする。
「…何も恐れる事はありません。クグニ神が、アジリの教えがあなたを守り、救います。だから」
誰だったっけこの人。
無意識に震え出した足を少しずつ前に進めようやく辿りついた本殿。
まるで何か、肉食の獣の様に大きく口を開けてあたしを待っている。
あたしの足音とヒジュラが踵を鳴らす音が断続的に絡み合う。
もう儀式は始まってしまっているんだ。
本殿が遠く感じる。
一歩進む度に足が竦みそうになるけれど、踵を鳴らす音が強引に背中を押す。
受け入れたつもりだったのに。
怖い事など何も無いと思っていたけど。
後ろから何か声がする。
「…何も恐れる事はありません。クグニ神が、アジリの教えがあなたを守り、救います。だから」
誰だったっけこの人。
無意識に震え出した足を少しずつ前に進めようやく辿りついた本殿。
まるで何か、肉食の獣の様に大きく口を開けてあたしを待っている。