見とれてしまう程夕焼けが草原を鮮やかに黄金色に染める中、まるであたしを迷わせまいとするかの様にバクは止まる事無く駆け抜ける。
もしあの若いヒジュラが来ていたら話を聞いてくれる様な気がしたけれどアジリの中にいるのだろうか。
父さんには必ず会えるはずだ。シータの事を話そう。
母さんに最後の挨拶を告げてバクに乗り込む時に話したヒジュラは何も知らない風だった。
「もうお母様との話は良いのですか」
「はい。…あの、あたしの弟がいなくなったのです。アジリへ来てませんでしたか」
「いえ…何も聞いていません。そもそも街から歩いて行ける距離ではないのです。何故本殿に来ると?」
「いえ…なら良いのです」
「しかしそれは大変だ。街のヒジュラに探す様伝えましょう。私も巫女様を本殿へお送りした後、街へ戻り探します」
そう言ったヒジュラは、共にアジリから来た別のヒジュラに何か耳打ちし、街に残した。
街のヒジュラが死んだ事はアジリにはまだ伝わってなかった様だけど、街に残ったヒジュラがそれを知るだろう。
変な方に話が転がらなければ良いけれど街にはジッタ婆もいるしきっと大丈夫だ。
何よりシータを信じている。
もしあの若いヒジュラが来ていたら話を聞いてくれる様な気がしたけれどアジリの中にいるのだろうか。
父さんには必ず会えるはずだ。シータの事を話そう。
母さんに最後の挨拶を告げてバクに乗り込む時に話したヒジュラは何も知らない風だった。
「もうお母様との話は良いのですか」
「はい。…あの、あたしの弟がいなくなったのです。アジリへ来てませんでしたか」
「いえ…何も聞いていません。そもそも街から歩いて行ける距離ではないのです。何故本殿に来ると?」
「いえ…なら良いのです」
「しかしそれは大変だ。街のヒジュラに探す様伝えましょう。私も巫女様を本殿へお送りした後、街へ戻り探します」
そう言ったヒジュラは、共にアジリから来た別のヒジュラに何か耳打ちし、街に残した。
街のヒジュラが死んだ事はアジリにはまだ伝わってなかった様だけど、街に残ったヒジュラがそれを知るだろう。
変な方に話が転がらなければ良いけれど街にはジッタ婆もいるしきっと大丈夫だ。
何よりシータを信じている。