自分の家の前にはもうバクを連れたヒジュラ達が集まっていた。
あたしを連れ出す為に。
「お待たせしました。だけど…少しだけ母と話を」
ヒジュラは何も言わずにうなずく。
見た事がある顔はなかった。
「母さん」
部屋が妙に暗い。
母さんは椅子に座ったまま動かず、あたしを真っ直ぐに見据えていた。
「行ってきます。今までを感謝します。どうか、どうか幸せに」
「…」
返事が無い。
あたしもそれ以上言葉が出なかった。
こういう時って伝えたい言葉が沢山あり過ぎて、本当にあり過ぎて、だけど何から伝えれば良いのか解らずに結局の何の言葉も出ないんだ、と思った。
色々な事が時間の流れを速くして混乱しているのかもしれない。
もう行かなければ。
「シータはきっと見つかる。父さんにも出来るならなるべく家に戻る様に伝えてみる……じゃあ、行ってきます」
あたしが扉を開けても母さんから返事は無かった。
だけどもう戻る事はできないからこれで良いんだ。
さよなら。
あたしを連れ出す為に。
「お待たせしました。だけど…少しだけ母と話を」
ヒジュラは何も言わずにうなずく。
見た事がある顔はなかった。
「母さん」
部屋が妙に暗い。
母さんは椅子に座ったまま動かず、あたしを真っ直ぐに見据えていた。
「行ってきます。今までを感謝します。どうか、どうか幸せに」
「…」
返事が無い。
あたしもそれ以上言葉が出なかった。
こういう時って伝えたい言葉が沢山あり過ぎて、本当にあり過ぎて、だけど何から伝えれば良いのか解らずに結局の何の言葉も出ないんだ、と思った。
色々な事が時間の流れを速くして混乱しているのかもしれない。
もう行かなければ。
「シータはきっと見つかる。父さんにも出来るならなるべく家に戻る様に伝えてみる……じゃあ、行ってきます」
あたしが扉を開けても母さんから返事は無かった。
だけどもう戻る事はできないからこれで良いんだ。
さよなら。