普通に街で暮らしていて、ある日突然にアジリに選ばれて何も分からないまま新しい人生を歩む。
昨日と明日が変わらない毎日をアーリアに生きる者に、変化を望まない者はきっといないのだとあたしは思う。
「ほら見て下さい…薬草採りの子供達だ。終わって街に帰るのでしょう」
ヒジュラの視線の先を追うと、少し離れた所に五・六人の日に焼けた集団が見える。
ヒジュラも一人いる。
日にシデンに出る者は決まっているから、その中にシータの姿を探すのは簡単だった。
彼らもこちらに気づき足を止めている。
シータが大きな荷物を半分程の背にかつぎながら何かを叫んでいる。
乱暴な声にも聞こえるがよく聞き取れない。
「シータ!」
あたしの声が届いたかどうか、その頃には彼らはあたし達の真後ろに小さくなっていった。
「お知り合いですか」
「弟なんです。この時間まで、あたしの分も働いてたのでしょう」
ふと、できるなら今日はなるべく早く家に帰ろう、幕を閉めて椅子に座り直しながらそう思った。
昨日と明日が変わらない毎日をアーリアに生きる者に、変化を望まない者はきっといないのだとあたしは思う。
「ほら見て下さい…薬草採りの子供達だ。終わって街に帰るのでしょう」
ヒジュラの視線の先を追うと、少し離れた所に五・六人の日に焼けた集団が見える。
ヒジュラも一人いる。
日にシデンに出る者は決まっているから、その中にシータの姿を探すのは簡単だった。
彼らもこちらに気づき足を止めている。
シータが大きな荷物を半分程の背にかつぎながら何かを叫んでいる。
乱暴な声にも聞こえるがよく聞き取れない。
「シータ!」
あたしの声が届いたかどうか、その頃には彼らはあたし達の真後ろに小さくなっていった。
「お知り合いですか」
「弟なんです。この時間まで、あたしの分も働いてたのでしょう」
ふと、できるなら今日はなるべく早く家に帰ろう、幕を閉めて椅子に座り直しながらそう思った。