「だって、海外赴任前の須藤君に一目惚れして、赴任中もエアメールとかでアプローチしてたんでしょう?」


ガッツあるわねー、と心底感心したように言う沙織さんに目が点になった。


「司の帰国が決まったときには、司に会いにアメリカまで行って告白したって」

「それで須藤君が根負けして付き合うことになったんでしょう?」


は?!

畳み掛けてくる夫婦の話に、思わず驚きの声が出そうになった。


え、なに。私そんな設定になってるの?!


驚いて須藤さんの方をもう一度向くけど、相変わらず全く目を合わせてくれない。


確かに、帰国後すぐに彼女が出来たと言うには、その設定が一番辻褄が合いそうだけども。

滅茶苦茶だ。私、そんなタイプじゃありませんからね!


でも、須藤さん相手ならそういうことする子居そうかも。

なんて、妙に納得してる場合じゃなくて。