普段の爽やかな王子様とは少し違う。

気心の知れた友人達の前だからこその砕けた口調。

こっちが素なのかな?


「俺らに文句言うのは後にして、紹介してくれよ」

「早速かよ 」

「まあまあ、取り敢えず飲み物頼もうか」


早すぎる展開にびくりとした時、女の人が救いの手を差し伸べてくれた。


人数分のビールを頼むと、すぐに届き取り敢えず乾杯を交わす。


みんな一口含み、一瞬の沈黙が訪れたあと、


「まずは俺たちから自己紹介しようか」


と、坊主頭の男の人が口火を切った。


「俺は八木 良平(やぎ りょうへい)。司とは大学の同級生で、同じフットサルのサークルに入ってたんだ」


よろしく、とニカっと笑った八木さんは第一印象の厳つい感じとは違いなんだかとても優しそう。


「で、こいつが真鍋 直彦(まなべ なおひこ)。隣がその嫁の真鍋 沙織(まなべ さおり)。ふたりとも同じくサークル仲間」


八木さんが代わりにそう紹介すると、公園で出会ったふたりが『よろしくー』と口々に言った。