え、もう着いたの?!

私たち、お互いのことなにも知らないけど大丈夫?


今交わした会話は、まるで面接のようで。むしろ名前と年齢しか確認してない。


馴れ初めなんか聞かれたらどうするの、須藤さん!

心の中の訴えなんて届くはずもなく、須藤さんはお店の中へと入って行ってしまう。

そんな須藤さんの背中を追いかけて、私も店内へと足を踏み入れた。

緊張し過ぎて胃が痛くなってきた…。

なんで私がこんな思いしないといけないんだろう。
て、簡単に請けちゃった私が悪いんだけど。


店員さんに導かれるまま店内を進んでいると、個室の前へとたどり着いた。


私は須藤さんの彼女。私は須藤さんの彼女。
そして、これは報酬の灯油のため。

心の中で唱えると、いざ出陣だ。



ーーガラッ


店員さんが個室の引き戸を開ける。