「悪い子にはお仕置きしなきゃ」


ーーグイッと勢いよく手首を引っ張られる。


ミア先輩は誰もいない部屋に私を入れると、喋る暇さえ与えてくれない。


掴まれた肩に力を込められ、ソファに押し倒された。


カラオケのテレビの中で喋る芸能人の声が、ミア先輩の危ない雰囲気にかき消され、まったく聞こえてこない。


怖い。


こんなのミア先輩じゃない。


だってミア先輩は、私のことただのからかいやすい後輩としか思っていないハズーーなのに。



「イライラする」


「……」


「天沢ちゃんが俺以外の男と仲良くしてるところなんて、見たくないんだけど」


「……ミア先輩」


「そんなの全然、つまんないじゃん」