いや、まてい。


私何も間違ったこと言ってなくない!?

ミア先輩こそ、よくネクタイなんかに目がいったよね。


そんなこと、気にならないくらい
あのカップル、ツッコミどころ多すぎたのに。



「あっ、そういえば!」


ネクタイで思い出した。



「この学校のジンクス知ってますか?」


急に明るい笑顔を見せる私に、ちょっと引き気味のミア先輩。



「なにそれ」


「よくぞ聞いてくれました……!」


「天沢ちゃんが言ったんじゃん」


「ここの学校のジンクスなんですけど。
 恋人同士で互いのネクタイを交換すると、その二人は永遠に結ばれるって、どっかの誰かが言ってました!」


「なにそれ、根も葉もない。」


「でもでもでも!もしそうだとしたら、ものすごい夢のある話ですよねー!
 きゃー!いつかやってみたい、ネクタイ交換!!」


「天沢ちゃんってほんと、夢見がちだよね。」