「可愛い奴。
 天沢ちゃんを可愛がるのは、もう俺だけでいいと思うんだけどなー」


ミア先輩の親指の腹が、私の頬をなぞる。


固まってされるがままの私に、先輩は頭をおもいっきり掴んで、目を覚まさせてくれた。



「恋愛初心者天沢ちゃんには、だいぶ刺激が強かったか」


「だ、だってどう反応していいか分かんないし」


「初々しい可愛い反応ありがとう。
 俺じゃなきゃ襲われてたから気をつけて」



そう言って頭を撫でてくる先輩は、やっぱり私を子供扱いしてくる。


もうダメだ。


ミア先輩のせいで、ミア先輩を見る度意識してしまって。
これまでの時とは違って上手く話せそうにない。


女の扱いに慣れてるところが嫌い。


だけど、そうと分かっていてドキドキしてしまう自分なんかもっと嫌い。