「あーあ、ときめきがほぢい~」


休み時間。ひんやりと冷たい机の上に、べったりと頬をくっつけながら呟く。



「……詩さ、最近失恋したばっかよね?」


「それとこれとは別だよ。
 斉藤先輩が最低な人だって分かって、むしろ吹っ切れるのも早かったってゆーかさ。
 あんな人に振り回されたくないでしょ?」


「あんたって、ほんとたくましいよね。
 無人島でも1人で生きていけそうなメンタルだわ」


桜が姿を見せなくなったこの頃。

少しでも汗を掻きたくないまい実ちゃんが、ファッション雑誌の付録についていた手持ち用扇風機で涼んでいる。


絶対にありえないのに。


ときめき。その一言で思い浮かんだのは


なんとなんと……ミア先輩の顔。