公園の目の前には百貨店があり、閉店の時間なのか車の通りが激しかった

車のヘッドライトが私たちを照らし通り過ぎてゆく

その車の流れを私はずっと見ていた

そんな私にしびれを切らしたのか、彼は急に立ち上がった

「めぐ、かえろっか」

「そうだね」

3月とはいえ朝や夜はまだ冷え込む

私はマフラーをまき直し、自転車に荷物をのせた

すると彼に肩を掴まれ後ろを向かされたかと思えば、彼の唇が私のそれとくっついた

私たちのファーストキス

それは彼によって簡単に奪われてしまった