屋上に着くなり、いきなりオレはヤツにぶん殴られたからね。

「テメェー、どう言うつもりだよ⁉︎ オレの女を!」

 胸ぐらつかみ、問い詰める岡村の表情が鬼のようだ。
 鋭い眼差しでオレを睨むのだから。

 オレと如月さんがキスしたって言う情報を岡村はテニス部の女子から聞いていたようだ。
 自分の彼女の唇を他の野郎に奪われたならば穏やかにはいられるワケがない。

「オレのせいじゃない! 如月さんが一方的に…」

「亜留がそんなふしだらな真似なんかしねーぞ!」

 何て事だよ?

 オレの方からキスを迫ったと思っているじゃないか。