岡村大吾って言う名前が出て、如月さんは意外な事を口走った。

「あの男はどうだってイイ」

 アッサリとした言い方。

「なーにそれ? もう好きじゃないって事かな?」

「私は渋谷と付き合うの。岡村は関係ない」

「渋谷の恋人は私だよ? アンタの恋人は岡村くんの方じゃないの? あー、そっかー。向こうと別れて渋谷に乗り換えるって事か」

「だからもう乗り換えている…」

 言い終わる前に私は強引に喋る。

「渋谷はもう私のモノだと言っているけど! コッチは中学の時から交際しているんだよ!」