「何を言っているの？　オレの彼女は」

「本田沙耶でしょう？」

「分かっているなら、どうして自分が彼女だって言うのかな？」

「今度は私が、渋谷の彼女の座に着く番だからよ」

「なーにそれ？　言ってる意味が分からないけど」

「渋谷ったら、いつまであのコとダラダラ付き合っているのよ？　もうイイ加減に別れなさーい」

「何でオレ、沙耶と別れなければならないんだよ？　別にケンカしたワケでもないのに。冗談を言うなよ」

　ワケの分からない人だとオレは思った。

「私は本気だよ！」と言って如月さんはオレの腕を又、強引に引っ張った。