如月さんはオレの肩に手を回して又、引っ張り始める。

「それだけ? って言うか!」

 何なんだこのコ? 

 オレを呼び捨てにしたり、馴れ馴れしくオレの腕に手をやったりして。

「うーん? なーに?」とオレに顔を寄せる如月さん。

「何をやっているのかなー? なーんか彼女感覚でっつーか。オレの腕になれなれしく」

 如月さんはオレが何を言いたいのかピンと来ていた。

「恋人の仲じゃなーい? これくらいはフツーだよ」

 何だ今のセリフは?

「ちょっと待った! オレ、如月さんとは交際していないハズだけど」

「もうすでに渋谷は私の恋人だよ」