「恋愛モノ小説の原稿を書こうと、場面作りの為に芝居じみた事をやった。…大方、そんな事だろうよ」

「分かってんじゃなーい」

 ニコッとする如月さん。
 浮気なんてしないって事が分かって岡村くんは安堵したけど、でもスッキリしない。

「お前はそのつもりかもしれないけど、向こうはそう思わないぞ。マジで受け止めているみたいだから」

「そうみたいね」

「そうみたいねってお前」

「マジで受け止めちゃうんだから、おかしくて笑いそう!」

 如月さんにとってはおかしく笑いが止まらない事のようだ。