「でも実際に、亜留は沙耶に直接会って渋谷を譲れって言ってたみたいだぞ?」

「冗談半分で言ったんじゃないの? 亜留って小説読んだり書いたりするのが好きだから」

 恋愛モノ小説の原稿を書こうと、場面作りの為に芝居じみた事をやったんじゃない?

 これが岡村くんの味方だ。

 如月さんの事が大好きで真剣に交際しているから、相手を悪く思いたくないって言う気持ちを抱いているのだ。
 紗理奈はイラッとした思いで言う。

「冗談半分だとか、芝居じみたって事で簡単に結論で済まされるような話しじゃないだろう? 女のコ1人に不愉快な思いをさせたんだからなー」