するとだ。

「やめろって言っているだろう⁉︎」

 八乙女さんは岡村とオレの腕をつかんだ。

「イテテ!」

「オイオイ!」

 岡村もオレも激しい痛みに思わず声を上げた。

 八乙女さんは器用に背後からオレたちの腕をひねったのだ。

「ケンカやめないと! お前らの腕を、容赦無くへし折るぞッ!」

 脅しじゃないようだ。
 八乙女さんはマジでオレたちの腕をへし折るつもりだ。
 小柄で見た目にはひ弱そうな体格なのに、腕力はあると感じた。

 鋭い眼差しで怖いし。