そう…それだけ強大な力を持っているのだ。


だから、バチカンは自分から目を離すことをしない…絶対に。

彼女もまた、そこまでされることに対して、抗うことを一度もしなかった。


親を知らず、人の愛を知らずに生きてきた彼女にとって、バチカンは初めての「家族」と言っても過言ではなかった。


他からしたら苦痛でしかない絶対の束縛も、彼女にとっては唯一の温もりであり、存在理由なのだ。