そおっと家を抜け出し、言われた公園へ自転車で向かう。
「さっむ」
会いたいなら一輝くんがこっちに来てくれていいのに……。
何であたしが一輝家方面の公園に行かなきゃダメなんだろう。
多少の文句は我慢した。
公園に着くと、一輝くんはもういてブランコに腰掛けていた。
「一輝くん…っ」
「優ちゃん、来てくれてありがとう」
鼻が真っ赤。
「座んなよ」
「あ、うん…」
隣のブランコにそっと腰掛けた。
うう…、冷たい。
「でも急に会いたいなんてどうしたの。何かあったの?」
「……ただ優ちゃんに会いたかった」
「…どうして?」
駆け引きをしてみる。
「優ちゃんこそどうして会いに来てくれたの?」
はい?
それはだって…
「一輝くんが会いたいって言うから…」
「嫌じゃなかった?」
「うん…」
「どうして嫌じゃなかったの?」
これ……言わせようとしてる?