「僕もまだ仕事が残っているんですけど……」
「じゃあ仕事でもやれば?
あたしはプリントやるし……」
「僕が見ていなかったら秋本さん、自分でプリントやらないでしょ?」
げっ、バレている。
先生が居なくなった内にメールか電話で誰かにでも聞こうとしていたのに……。
メールか電話なら、梓は教えてくれるはずっ!
「そんなことしません……。
先生はどうぞ自分の仕事をしてください」
あたしは考えを悟られないようにサラリと嘘をつく。
どうかこれで出ていって!
「仕事ねぇー」
平本先生はちょっと難しい顔をしてこう言った。
「図書館の本の整理なんですよ……」