「秋元さんどうしたの?
元気無いみたいだよ。
具合でも悪くなった?」
「違います。
ただ…ちょっと自信を無くしただけです」
「なんの自信?」
蒼衣先輩の優しい言葉にさっき思ったことを話した。
料理が運ばれてきたけど蒼衣先輩は一切料理に手をつけずにあたしの話を聞いてくれた。
この優しさは平本先生とは大違い。
これくらい優しかったらいいのに…
「福島もたぶん携帯を見なきゃ秋元さんの番号は分からないよ。
月岡さんもだと思うよ。
相手の番号を“覚えられる人”と“覚えられない人”が世の中にはいるからね」
そっか、そうだよね…
世の中にはあたしみたいに覚えられない人だっているはず。
そんなに気にする必要ないじゃん。
「ほら、ご飯が冷めない内に食べよう」
「はい!」
とっくに運ばれてきていた料理たち。
まだ冷めきってはいなく程よい温かさ。