平本先生がちょっとめんどくさそうに如月さんにあたしを紹介してくれた。


「こいつはお前の彼女の友達」


「名前は?」


「秋元」


如月さんは「アズのか…」といって納得している。



「秋元 夏帆です。
いつも梓と仲良くしています」


あー、こんなカッコいい人が目の前にいるんだからもっといい事が言えたらいいのに…



「あー“あの”夏帆ちゃんか!
いつも梓から話を聞いています。
こっちこそ梓と仲良くしてくれてありがとう。
これからも仲良くしてあげて」


『あの』って何よ!
『あの』って!!



そんなとき
スッと伸びてきた左手。


え、何これ。
もしかして握手?


あたしは如月さんの左手に導かれるようにして左手を差し出した。


大きくて、温かい手…



けど如月さんの指輪が当たった場所だけは少し…


冷たい。