「そうですか…… 分かりました」
福島先輩はそう言ってゆっくりドアを閉め、帰っていってしまった。
平本先生は悪い事をしたと感じていないのか、いつもどうりの顔。
この先生、顔は問題ないけど性格に問題大有り!
「秋元さん、早くそのプリントやってください」
「無理です。
分からないです」
先生頭悪いんじゃないの?
分からないからさっきから進まないのに……。
見て分からないのかな?
「一応、簡単な問題を選んだんですけど……」
「それでもムズかしい」
今あたしの前に出ている真っ白な古文のプリント。
“いはく”“たまふ”“うるはし”
これってどう読むの?
現代の言葉に直すって……。
さっぱりわからない。
こんなこといつやった?
あたしの記憶には全くありません。