車は無事に如月さんの働いているホテルに着いた。
「ったく、どうして休みをとらなかったのかねぇー」
ホテルについてもまだ平本先生は文句を言っている。
いい加減諦めればいいのに…
豪華な入り口からホテル内に入ると…
そこはここを日本だと忘れさせるような造りなっている。
本当にあたし来てよかったのかな?
あたしのおこづかいでお昼が払えるのか急に不安になってきた。
「コウ!」
誰か大きな声で名前を呼んだ。
あたしはその人に視線を移して固まってしまった。
「……………カッコいい」
『コウ!』と言った人はここの従業員らしく制服を着ている。
そして左手を挙げ、あたしたちの方へ近づいてくる。
どんどん近くなってその人の左手の薬指にはまっている指輪が見えた。